特別委FoE Japanの満田です。

さきほど、鹿児島県原子力安全対策特別委員会は、31件の再稼働反対(または慎重、もしくは更なる調査をやるべき、地元同意を広げるべきなど)の陳情・請願を否決、1件の再稼働賛成陳情を可決しました。(数が微妙に違っていたらすみません。)

再稼働反対の議員たちはねばりにねばり、当初17時までだった会議は、19時に、そして21時に、そして23時に最後には0時まで、それでも少しはみ出して、0:15に最後の反対陳情が否決されました。
反対議員が、手をつくしてがんばりぬいてくださったことに感謝します。

請願・陳情はこちらをご覧ください。
<一覧>
http://www.pref.kagoshima.jp/ha01/gikai/new/documents/42368_20141105121954-1.pdf
<内容>
http://www.pref.kagoshima.jp/ha01/gikai/new/documents/42368_20141113130018-1.pdf

陳情・請願一覧1
陳情・請願一覧2

以下、報告です。

最初に県の再稼働に関する基本的に考え方について質疑が行われました。

特に質問が集中したのが、審査書の説明会に参加した住民の「理解が進んだか」について、避難計画について、火山学会の提言についてなどでした。

共産党の松崎議員が、質問が出尽くしたと思うか、なぜアンケートについて「理解できなかった項目は?」という問いにしたのか、自由記入欄にはどういう意見が書かれたのか、なぜインターネット中継をしなかったのかなどについて指摘。(そういえば、自由記入欄に書かれた意見は公開されてませんね。反対意見が多くて公開できないのかもしれません。)

さらに、避難について、「避難先調整システム」で避難先を選ぶとしているが、そういうことを改めて住民に説明すべき、透析患者の避難はどうなるのか、机上の空論がおおいなど。

また、県民連合の遠嶋議員が、薩摩川内市の説明会の申込者に動員があったのではないかというような点について、また、適合性審査の問題点、とりわけ基準地震動について、火山学会の提言について、田中委員長の「火山学会が何をいまさら言っているんだ」という発言について認識を問いました。

遠嶋議員は、火山審査については、火山専門家が厳しい指摘を出し続けたのにも関わらずそれを無視して審査を行った点を指摘。原子力規制委の審査は、ゆるかったと。
さらに保安規定、工事計画認可の審査が継続中である中、このように県としての判断をくだすのはあまりに拙速だとしました。

また、「万が一事故が起こった時、国が責任をとる」と言っていることを県が判断の根拠にしている点について、現に福島原発事故では国は責任をとっていないじゃないか、という点を厳しく問いました。

自民党の井上議員は、宮沢大臣は的確に説明したと述べ、我が国のエネルギー事情が置かれてる厳しい状況を認識すべきだと、電気料金の値上げなどを引き合いに出して質問。再稼働はやむをえないと述べました。

委員会外の議員の質疑として、ふくし山のぶひこ議員が、スーパーアリーナ計画はアンケートで県民の半数以上が反対しているために撤回されたことをあげ、川内原発でも民意をくむべきと発言。柳議員が、説明会に子育て世代の女性が参加できなかったことを指摘しました。

続いて、請願・陳情の質疑にうつりました。

自民党の岩崎議員が、地元同意について、日置市議会の決議をどう受け止めるかと問い、県側は、「さつま川内市の立地自治体として負う責任を尊重」というような表現で、鹿児島県と薩摩川内市が同意すればよいという意見を重ねて述べました。
岩崎議員は、「国に明確な基準を示すように要望」とか言っていました。

共産党の松崎議員は、火山学会が「巨大噴火は予知が困難」「火山審査ガイドを見直すべき」としていることをあげ、原子力規制委に審査のやり直しをしなくていいのか、せめて問い合わせるべきと指摘。

県民連合の遠嶋議員は、巨大噴火が起きた時に使用済み燃料の搬出ができるのかという問いました。県側はあ、「田中規制委員長は、数か月でできると言っている」とさっそく、田中委員長の昨日のトンデモ発言を活用していました。

遠嶋議員は、「通常は5年冷やさなければならない。これは間違いですか?」と追及。県側は「原子力規制委はモニタリングについて検討している」と逃げていました。

また、遠嶋議員は、「30キロ圏内の人たちは同意を求める権利がある。浪江町を視察した。だれも住むことができない情景に衝撃を受けた。幸せな生活を送っていた人たちがそれを奪われた」と述べました。

県民連合の前野議員は、リアルタイムで変化する風向きにあわせて、避難先を変えることなどできるのかと質しました。

委員会外の議員としては二牟礼議員の質問がたいへん興味深かったです。タイベックスーツの配給について、またバスによる避難についてきいていました。バス協会に協力要請をしているというが、OKはもらったのか(答えは協議中)。

福島原発事故が二度と繰り返さないと言い切れるのか。事故想定はどのようにしているのか、などを質しました。。(答えは、福島原発事故の1800分の1の規模の事故想定)

さらに、揚水発電の設備利用率は何%か(2%くらい)、再生可能エネルギーの買取契約の中断などを引き合いに出し、再生可能エネで、十分行けると主張。

最後に、「万が一事故が起こった時の責任を国が取ると言っているが、どういう責任をとるのか?」と質問。答弁は不明確。さらに「知事の責任はないのか?」と迫りました。

答弁は「知事には責任はない。福島でも知事の責任は問われなかった」という驚くべきものでした。

ここで質疑は終了。

松崎議員が、「請願陳情の審議は議会の専権事項。今までの審議でたくさんの問題点が明らかになった。説明会も不十分。火山の問題については原子力規制委に問い合わせてくれと言った。避難計画についても住民に説明されていないことがたくさんある」として、「採決をしないことを求める」と動議。

遠嶋議員も「煮詰まっていないものがたくさんある。大きな問題提起。知事の責任という話があったが、我々も責任を負う。慎重審議を!」と述べました。

しかし、賛成少数で、この動議は否決。採決をすることに。

山田国治議員(自民、姶良・霧島地区)が賛成討論。「自由民主党県議団としては、責任政党として、再稼働に賛成する」と述べました。

松崎議員が再稼働反対立場からの討論。たいへん美しい、胸の打たれるスピーチでした!

「県議会議員としてなすべきは県民のいのちと安全を守ること。福島原発事故の被害者の苦しみと向き合わなければならない」と述べ、大飯原発の福井地裁の判決文を引用しながら、「本当の国富とは、豊かな鹿児島とそこに住み続ける人々を守ること」

と述べました。 

そして県民連合の前野議員も反対の討論。

そして、採決。
 
32件の陳情・請願を、一つ一つ採決していきました。
そのうち31件が、再稼働反対、もしくは慎重、もしくは地元同意を広げるべき、もしくは調査を行うべき、などというものでしたが、すべて否決されていきました。

そして1件の再稼働賛成陳情のみが採択されていました。

再稼働に賛成した議員は、井上章三、瀬戸口三郎、藤崎剛、岩崎昌弘、吉留厚宏、田中良二、成尾信春、大園清信、外薗勝藏、小幡兼興、山田国治の各議員

反対は遠嶋春日児、前野義春、松崎真琴の各議員

(自民・。公明党・無所属の議員たちは賛成、県民連合・共産党は反対)

最後に公明党が、「再稼働やむなし」という意見を述べました。 


明日(というか今日)は、委員会の結果が本会議に報告され、本会議で若干の質疑ののち、あっというまに採決が行われるのではないかと思います。

FFTVで断片的にツイキャスしていました。ちょっとまだ整理しきれていませんが、
下記に履歴が残っています。